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Fwd: 大学院特別講義(7月5日)のお知らせ

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差出人: 横山尚彦 
件名: 大学院特別講義(7月5日)のお知らせ
日時: 2012年6月28日 11:29:26 JST

大学院特別講義のお知らせ
 

関係者各位下記のとおり、大学院特別講義を開催いたしますので、ぜひご参集くださいますようお願い申し上げます。演者の国本博士は、本学平成11年の卒業で、Cell に素晴らしい研究を発表されました.基礎的な研究ですが、在学中の大学院生はぜひ聴講していただきたく思います

演者: 国本晃司博士所属: 大阪大学 医学部 分子生体情報学講座
職名: 特任研究員

演題名: 「繊毛協調運動のメカニズム 〜突起がかなめ
日時: 7月5日(木)16:30~
場所: 基礎医学学舎 6F セミナー室

講演要旨:

繊毛は、最近とても注目されています。御存じの通り、細長い毛のような構造ですが、大きく分けて、動くものと動かないものがあります。これらの繊毛ですが、皆さんの知らない間に、体の中のいろいろなところで働いています。教科書にもまだあまり載っていないのですが、実は、体の中のほとんどすべての細胞が繊毛を生やしており、いろいろな機能を果たしています。例えば、腎臓の尿細管では、1つの尿細管細胞に1本だけアンテナのように繊毛が生えており、内腔側で尿の流れのセンサーとして働いています。また、胎児の発生のときの体の左右の軸をつくる過程にも繊毛が関わっていることが知られています。尿細管の繊毛の異常により多発性嚢胞腎になることやノードという胎児の特殊なくぼみ構造にある繊毛の異常が内臓逆位を引き起こすことは、繊毛の研究においても、ヒトの疾患との関わりにおいても、とても大きな発見でした。また、1本の繊毛以外にも、気管などでは、100-200本ぐらいの繊毛を持つ繊毛細胞がまるで絨毯のようにその内腔を覆っており、これら全ての繊毛細胞の全ての繊毛が、まるでボートをこぐように、協調して高振動し、細菌などの異物を外界に運んでいます。これにより、我々は風邪や肺炎などから守られています。今回の講義では、このような繊毛の意外に知られざる、一般的なお話しから始まり、最後には繊毛の根元に局在するOuter dense fiber 2 (Odf2)タンパク質の変異マウスの解析についてのお話しをさせて頂きます。このマウスの解析により、気管などの多繊毛細胞において、多数の繊毛の運動の方向が、一方向に揃えられるメカニズムが明らかとなりました(Kunimoto et al, Cell,
2012)。世界最高の加速電圧を持つ超高圧電子顕微鏡トモグラフィを利用した3次元的解析により、繊毛の根元の基底小体に付着する特徴的な突起構造(basal foot)の先端には微小管骨格が結合しており、それらが規則正しいネットワークをつくることにより繊毛の向きが揃えられていることがわかりました。Basal footという付着構造がこの繊毛の動きを揃えるメカニズムのかなめとして働いていることがわかりました。

それでは、ご興味のある方は、是非、お越しください。

問い合わせ先:横山尚彦京都府立医科大学 大学院医学研究科生体機能形態科学 Tel 075-251-5303Fax 075-251-5304


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