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anesthesiology, kyoto prefectural university of medicine 京都府立医科大学麻酔科学教室

院生抄読会 8月18日(月) 担当:安本先生

Circadian rhythms govern cardiac repolarization and arrhythmogenesis
概日リズムは心筋の再分極と催不整脈性を支配する
Nature. Fab 22, 2012; 483(7387): 96-99. doi:10.1038/nature10852.
D Jeyaraj et al.

 心臓突然死の頻度は,後天性あるいは遺伝性心疾患のいずれにおいても日内変動を認めるが,その分子生物学的なメカニズムは知られていない.致死的心室性不整脈の原因として,心筋再分極のパターンや持続時間の異常が知られていたが,我々はマウスにおいて,概日リズム(circadian rhythm)と催不整脈性が関連するという証拠を得た.具体的には Kruppel-like factor 15(Klf15)の支配により,心筋イオンチャネルとQT時間が内因性概日リズムを示すことを確認した.Klf15は転写因子として, Kv channel-interacting protein 2(KChIP2:心筋再分極に関連する一過性外向きカリウム電流 Ito を司る)を周期的な発現をコントロールするが,Klf15の欠如あるいは過剰発現したマウスにおいて,QT時間の日内変動の消失,心筋再分極の異常および心室性不整脈の増加を認めた.このことから,概日リズムによるイオンチャネル調節機構は,催不整脈性に関与することが判明した.

安本寛章